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あの声、あのギター、そして照明の演出で、秀逸だった  『シクラメンのかほり』!

日本で、こんな雨の日に出かけたのは始めてでした。

ちょっと前まで、いくつかの女子大で図書館学を教えていた,今は、語り手として活躍する佐藤凉子さん、埼玉県のある図書館の長である代田知子さん、そして,とっくのとうにリタイヤしてしまったこの私と、熟女3人は、雨燦々、いや、ザーザーの中を中野駅から布施明のコンサートが催される中野サンプラザまで歩いていきました。近かったので、ホッ。11月14日、アメリカに帰る1日前のことでした。

知子さんによるとかつての中野サンプラザは、東京都の公益事業の一環であったけれど、収益の見込まれる施設のため、経営が民間へ譲渡されたのだとか。今では、特に、コンサート会場として有名だそうな。その上にあるホテルで知子さんの妹さんが結婚したんですって。古いけど、会場の音響は、よかったです。布施さんも「NHKホールみたいだ」というようなことをおっしゃっていました。

今回の布施明コンサートは、「うたかた」と題されていました。うたかたとは、水面にうかぶ泡、儚く消えていくという意味と、布施明自身が歌手であることから、歌を届ける唄方という2つの意味をかけているそう。歌手の人生が終わった時、歌も儚く消えていく...わかるけど、布施さんは自虐的、刹那的なところがあるわね。ウジウジするなよ、一流の歌手なんだから、日本1でしょ(2か3かな?)。自分の努力を素直に讃えてよと言いたい所。まあ,私自身、年を取ってきて、気弱になりがちだけど、根が楽天的で,精神で物を考えるというより、肉体で考えることを重要視しているからかしら。食べて,寝て,明日考えようという主義ですので。

というのは、私は、昔々、志賀直哉の『暗夜行路』を国文科の授業で読み、、肉体で考える,肉体で解決するという理論に、いたく感慨をおぼえたのです。それは、前編の最後に主人公の謙作が娼婦の乳房を触りながら、「豊年だ,豊年だ」と叫ぶシーン。教授はそのシーンを「謙作は、今までの自分の出生の苦悩を娼婦の乳房を触る、その肉体の快感で、苦悩から解放されたのだ」というような説明をしたのです。ずっと悩み続けるかわりに、豊年だ…で、ふっきれたその解決方法。布施さんも、儚い泡なんて言わないでよ、歌うたいの快感に思い切り、溺れてくださいよ、といいたくなるのでした。

布施明さんは語源などにも興味を持っているようで、デイレマとかアンニュイなどの外来語の説明もしていました。彼がアンニュイと言った途端に、私の思いはダダッーと、これまた昔読んだ、そして、映画も観た『悲しみよこんにちは』に馳せるのでした。というのは、『悲しみよこんにちは』は、小生意気な女の子が贅沢な別荘で、自分の夏を「アンニュイ」とか言いながら、だらだらと過ごしているストーリー。その頃、私の父は脳溢血を患い、高度成長期の日本であったにもかかわらず、ウチの家運は、がたがた。やっと大学を出してもらったといういきさつがあります。フランスのお金持ちの生意気な女の子のアンニュイな夏、作者は?サガンだったなどと、わざわざアメリカから布施さんの歌を聞きにきたのに、思いは他のことにめぐっていきました。もったいなかったわ。でも、布施さん曰くの「一期一会」ー歌い手と聴き手の思いが激しくぶつかりあうという意味、ここにありき、ですね。

その日はパリの様々な場所でISISによる奇襲があった日で、布施さんによる『シャーガールブルーの物語』、『カルチュラタンの雪』などのフランスをテーマにした歌の説明も控えめでした。「パリは、今,大変ですね」程度。

私が、「えっ!」と驚いたのは、『シクラメンのかほり』を歌った時。照明は、布施さんとギターの小堀さんのみに当てられ、舞台は、真っ暗。「真綿色した〜」とギター演奏のみではじまった,生布施明の肉声が、突如、私を現実に戻したのでした。ギター演奏の素晴らしさにのせられた、布施さんの、これまた素敵な声が、この歌の持つイメージをしっかり、しっかりと伝えてくれました。凄い,凄い。感動。「やったぜ、ベイビー!」と叫びたくなるのをグッと押さえていました。秀逸なるアーティストである「布施明」とそれを支えるギターリスト。『シクラメン。。。』は、今まで、特に好きな歌でもありませんでした。でも、照明とギターの演出で遺憾なく布施明を発揮した、今日の『シクラメン。。。』。あれは、フォーク調の歌だから、オーケストラをバックにしなくても、あんなにイケル歌なんだ。

コンサート会場を出る時に,凉子さんも知子さんも「シクラメンって、あんなにいい歌だとはおもわなかったわ、そう、 小椋佳さんが作ったの?」とか言っていました。私より,無知?

今回のコンサートの構成がとてもお洒落にまとまっていたというのが、3人熟女の共通した感想です。布施さん自身、とてもリラックスしていて、伸び伸びとしていました。千秋楽だったからかしら。そうそう,功労賞、おめでとうございます。

その後、ヨドバシカメラ、紀伊国屋書店で、たっぷり楽しんだ夫も加えて、タイ料理を食べ、次の朝早く、夫の仕事のコシギンでサバナ(ジョージア州)まで飛んだ熟女は、すっかり疲れてしまいました〜。

でも、折りに触れ、思い出します、「いいコンサートだったわ〜」と。

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